「いつも見てるでしょ…?」
何言ってんのって表情で直樹を見る忍。
「え!?改めて見たらね!」
「そう……。」
忍は特に気にすることなく視線を花に戻す。
危なかったと胸をなで下ろす直樹。
「ポチッとな……。」
忍が懐から出したスイッチを押すと、設置されたスプリンクラーが作動する。
「こっち……。」
忍の後を歩いていくと、スプリンクラーが作動していない場所がある。
「この子達…元気ないの……。」
そこの花達だけは少ししおれていた。
「手伝って…。」
どこからともなく園芸セットを出す忍。
土を代えたり、肥料をあげる。いつの間にか空がオレンジ色になり、外に出ていた生徒達が帰ってくる。
不意に車のエンジン音が聞こえ、次の瞬間、装甲車が校門を突破して入ってくる。
装甲車から武装した4人の覆面を被った屈強な男達が下りて空に向けて銃を撃つ。
悲鳴を上げる生徒達。
「1人捕まえりゃ大金が入る!さっさと終わらせるぞ!」
リーダー格の男が他の3人に指示を出す。
1人の生徒が捕まってしまった。
「は、離してください!」
「大人しくしろ!ブッ殺されたいかっ!!」
銃を突きつけられて、捕まった女の子が小さく悲鳴を上げる。
「待って!」
男達の前に直樹が出る。
「私が代わりになる!だからその子を離して!」
「なんだと?」
リーダー格の男が直樹に近づき、ジロジロと値踏みするような目で見る。
