「はぁ…。」
彩華を見失って、直樹は自分がどこにいるのかわからないまま歩いていた。
上を見ながら歩いていたので、ドンッと誰かとぶつかってしまう。
「ご、ごめんなさい!」
慌て謝る直樹。
ぶつかった女の子は、かなり小柄で黒髪のポニーテール、白いロングマフラーを巻いていた。
セントリーで生徒会書記の斉藤忍である。
「……………。」
「(なんだ忍か。忍だったら内容バラして課題を手伝ってもらおうかな?)」
そう思い、忍の名を呼ぼうとしたときだった。
カバッといきなり忍にスカートをめくられる。
「うわぁぁ!?」
忍から離れてスカートを戻す。
「それどうしたの…………?」
「え?」
忍が指差す先は、さっき見たパンツの位置だった。
「どうしてあるの………?」
おそらく忍が言いたいのは、女の子なのにどうしてアレがあるんだということだろう。
アレとは、数時間前に菫にバッチリ見られたモノである。
「は、生え…ちゃった。あはは…。」
なぜこんなことを言ったのだろうと後悔する直樹。完全に女装している変態だと言っているものだ。
チラッと忍を見ると、なんてこった…こりゃたまげたぜ、というような顔をしていた。
「言いにくいこと聞いてしまって……ごめん………。」
「(信じちゃったよ、この子…。)」
なんだかすごく悪いことをしている気がする直樹。
