ただでさえ女装して精神的ダメージが大きいのに、彩華の後ろで優華がカメラで写真を撮っている。
この姿が写真に残るのかと思うと阻止したい直樹だが、そんな体力は無かった。
「バレたらそこで任務失敗だからね、直樹くん!」
彩華の言葉に頷いて、直樹はセントリーに向かった。
………………………。
……………。
……。
そして今に至る。
「でも麗花さんは判定外でしょ。そういうことで作戦続行!」
段ボール箱から右手を出して、グッと親指を立てる。
「わかったよ。」
小さい溜め息を吐いて歩き出そうとすると、彩華に呼び止められる。
「直樹くん。」
「何?彩華さん。」
カシャッ!
「……………。」
視線を下に向けると、彩華が腕を伸ばしてケータイで、直樹のスカートの中を撮影していた。
腕を段ボール箱に戻して写メを確認する。
「ナイス、パンツ!」
また腕を伸ばして親指を立て、そして逃走した。
「待てゴラァァァ〜!!」
鬼の形相で追いかける直樹。
