直樹が連行されて30分後…。
「はい、目を開けていいよ。」
雪のお許しが出たので、直樹は目を開ける。
特に変わった景色ではない、制服もそのまま着ていた物だ。ただ、頭が変に重い。
「か、かわいい!」
「かわいいです、直樹さん!」
彩華と優華は顔を赤くして言う。
「な、何が?」
意味がわからずに首を傾げる。
「見てみるといいよ。」
雪が手鏡を直樹に渡す。
「……………。」
鏡に映る自分の顔に、直樹は絶句する。
長い黒髪のウィッグに、つけまつげ、薄いピンクのチーク、ピンクのラメ入りのリップ。
見た目は普通の女の子だった。
「さて次は着替えね。スペシャリストを呼んであるわ。」
雪が言い終わると同時に、生徒会室のドアが開く。
「それは私!」
現れたのは、紙袋を持った菫だった。
「それじゃあ、寝室に行こうか。」
直樹の腕を掴み、隣の寝室に入って行った。
