そのうち「私は1人では生きていけないことを、ここに誓います!」と言うかもしれないと、本気で思う直樹。
「直樹さん、姉さん、お茶が入りましたよ。」
銀のトレイにティーカップを3つ乗せて、優華が持ってくる。
「ちょっと疲れたし、休憩にしよう〜!」
シャーペンを放り投げて、机を片付け始める彩華。
「彩華さん、課題は何にするか決めた?銃、潜入、偽装、罠の4つだけど。」
「どうしようかな〜?」
おもむろにテレビをつける彩華。
カチッと電源が入る音がして、黒い画面がニュース番組に変わる。
『続いて、昨日亡くなられた竹中(たけなか)総理大臣のニュースです。』
「ああ、総理大臣亡くなったんだよね。なんか争った跡があったとか…。」
紅茶を飲みながら直樹が言う。
「でも死因は心臓麻痺だったらしいですよ。」
「力を求め続けた者の末路よ…。」
誰にも聞こえない声で呟く人がいた。
気がつくと、いつの間にか雪が隣に座っていた。
