流石は蓮と肩を並べる人だなと、直樹は改めて麗花という存在を尊敬する。
「それで、うちの学園には何をしにきたのかしら?」
「実は…部活の課題で…。」
申し訳なさそうに直樹が答える。
「なれほど。変装した直樹くんを、彩華ちゃんがレポートにまとめるのね。」
「どうして、そこまでわかるんですか!?」
驚く直樹に、笑顔で後ろを指差す麗花。
振り返ると、少し大きめの段ボール箱があり、銀髪のポニーテールがはみ出ていた。
隠れる気あるんだろうかと直樹は思ったが、そばを歩く女の子達は気づかずに通り過ぎる。
「心配しなくても大丈夫よ。生徒会、風紀委員以外の子達はみんなお気楽思考だから。」
フフッと笑いながら話す。
「でも、あまり目立った事はしないでね。うちには融通のきかない子がいるから。」
「はい。」
「それでは、ごきげんよう。」
麗花はウィンクすると、口調を変えて洋風の校舎へ入って行った。
「やっぱり誤魔化せないか…。」
そう呟きながら、段ボール箱に近づく直樹。