「いや、報告はしないでいい。蓮は休ませないとな。」
カチッとマッサージ終了のボタンを押して、次狼が答える。
「だが円だ…。何をするかわからない。」
目を閉じて話す菫。
「大々的に動くのは、蓮が会長を引退した後だろう。で、狙われたのは誰だ?」
「狙うと言うか観察だよ、彩華と優華だった。」
「まあ、予想通り…。直樹じゃないなら報告もいらない。」
またマッサージを始める次狼。
「蓮の方はどうなった?」
菫の問いに、次狼は目の前のテレビを指差した。
「向こうも終わったようだな。」
………………………。
……………。
……。
デパートから帰るときに、雪と会った直樹達は4人で学園へ帰っている途中だった。
「そう言えば、彩華さんはデパートに何しに来たの?」
自転車を押しながら直樹が言った。
「そうだ!課題だよ、課題!兄貴から課題出てたでしょ?一緒にやろうよ!」
彩華の言葉に、直樹と優華の足が止まる。
「ん?どうしたの2人とも。」
「いや彩華さん…それ休み前に言われたやつでしょ?すぐに一緒にやろうって言って…。」
「姉さん、新作ゲームに夢中になって、後で自分でやるからって言ったんだよ?」
「へ?」
彩華が止まる。
「彩華…あなた、まだやっていなかったの?」
「えぇっ!?いや違うよ師匠!」
