「お迎えにあがりました、お姉様。」
ペコッと頭を下げる。
「遥(はるか)じゃない。魔里(まり)と魔由(まゆ)は塾に連れて行ってくれた?」
「はい、お姉様。」
「ありがとね〜。それじゃあ帰りましょう。」
2人がリムジンに乗り、車は動き出す。
「お姉様、顔に血がついてますよ。」
「あら、まだついてた?遥、拭いてくれる?」
「はい、お姉様。」
顔についた血を遥はペロッと舌で舐める。
「遥、あなたにやってほしい事ができたわ。」
「なんでしょうか?」
「ある男の子に近づいてほしいのよ。」
懐から写真を取り出して遥に渡す。
「ああ、この人ですか。」
写真を見て、遥は何度か頷く。
「あら、知ってるの?」
「ええ、有名ですよ。『あの人』の近くにいて、弟子とか言われてます。」
「へぇ〜蓮の弟子…。」
そう言って、窓の外を見る円。
「それで、この人をどうするんです?殺しますか?」
丁寧に血を舐めながら、円と同じ黒い瞳に殺意がこもっていく。
「ダメよ遥、あなたは気が早いわ。殺すのは禁止する。味見して気に入ったら自分の物にしてもいいわよ。」
言い終わると同時に、遥も血を舐め終えた。
「ここでいいです。」
遥が言うと、リムジンは停止する。
「遥には迷惑かけるわね。」
「いいんです、お姉様。」
