牛乳と猫スーツ。




「ん?」




直樹達を見つめる人物が菫の目に入った。




同年代くらいの女性だった。モデルのように高い身長、ショートパンツにショートのワンピースを着ている。






その上から、黒い皮のロングコートを羽織っている。





首には黒のチョーカー、黒のブーツ、黒を主体とした服に映える、腰まである長い白髪。






そして自分の身長より少し長い、細長く、全体を布で巻かれた物を持っていた。




直樹達を見るその瞳は、見続けると吸い込まれそうなほど深い闇のように黒い。






その女性は、目線だけを菫に向けて、クスッと笑って歩き出し、階段を上がって行った。






「なぜ…ここにいる…。」



ボトッと、菫は食べていたチョコバナナを落とす。




すぐにベンチの下に置いておいた黒い刀身の『黒龍』を制服のスカートの上のベルトに付けて、黒いコートの女性を跡を追う。





ケータイで次狼に[直樹くん達を頼む]とだけ書いたメールを送った。







【デパート・屋上】




菫は、バンッと屋上のドアを開ける。




冬だからだろうか、人がいなかった。ただ1人を除いて。






「久しぶりね、8ヶ月くらいかしら?」




最初に口を開いたのは、直樹達を見ていた女性だった。





「なぜ、お前がここにいる!」




普段は冷静である菫が声をあらげて言う。