【彩華と優華の部屋】
様々なぬいぐるみに埋め尽くされたベッドの上で、ひときわ大きいクジラのぬいぐるみを抱きながら、スヤスヤと彩華が寝ていた。
「思い出したぁ〜!!」
大きく目を開けながら、ぐわっと体を起こす。銀色の長髪が所々ピョンと飛び跳ねている。
彩華は背中に翻車魚(マンボウ)と書かれたTシャツを着ていた。おそらくパジャマの代わりである。
ベッドから飛び出し、寒さも忘れて、その場で服を脱ぐ。
「どれ着ていこうかな〜?もう制服でいいや!」
制服に着替えると、彩華はポニーテールにするのも忘れて部屋から出た行った。
【男子寮】
ケータイに出なかったので、彩華は直樹の部屋の前にいた。
チャイムを数回鳴らしても反応がなかった。
「ん?どうした彩華。」
振り向くと、次狼が立っていた。
「次狼さん。直樹くんを捜しているんですけど…。」
「直樹か…。ちょっと待っていろ。」
ケータイを取り出して、誰かに電話をかける。
「監視目標No.01の現在地は?」
彩華に聞こえない声で話す。
「……ああ、わかった。」
ピッと電話を切り、ポケットに直す。
「駅近くのデパートだ。」
「ありがと、次狼さん!」
礼を言って、彩華は走って行った。
