「どうか…あの子達に、幸多からんことを。」
言い終えた直後、強い突風が吹いた。
「あっ…。」
左目に付けていた包帯が飛んでいってしまった。
「もういらないわね。」
まぶたには、よく見なければわからないほどの薄い傷があり、その左目の瞳は右目のより色が少し薄くなっていた。
真由香は立ち上がり、寮の方へと歩いていった。
一方、悠斗と真里香は未だに言い争っていた。
「いいわ、バカにしてみなさいよ!その代わり、悠斗!あんた風紀委員会に入りなさい!!」
ビシッと力強く指を差す真里香。
「いいだろう、風紀委員会をバカに染めてやるぜ!!」
腰に手を当てて自信満々のポーズの悠斗。
「フゥ…。声出しすぎてノド乾いたわ…。悠斗、水ちょうだい。」
「ほらよ。」
「ありがと。」
手渡されたミネラルウォーターをグイッと飲む。
「うっ!?ブフーーー!!」
真里香が霧のように水を吹き出す。
「うおおっ!?なにすんだ!!」
水を顔に浴びて悠斗が飛び跳ねる。
「何よコレ!?何入れてんの!!」
「プロテインに決まってんだろうが〜!!」
「そんなもん乙女に飲ますな〜っ!!!」
「グブラッ!!?」
空中で回転して、回し蹴りを悠斗の顔面に当てる。
「くっ…。お前はバカだけじゃなく、特別に俺のような筋肉質に改造してやる!!」
ビシッと真里香を指差す。
「お、俺好みの肉体に改造!?この変態ぃ〜〜!!」
「んなこと言ってねぇだろうが〜!!」
この後、夜になって探しにきた直樹と真里香のルームメートであるエリーゼが見つけるまで続いた。
