真里香の目は潤んでいた。
「私、用事あるから、彩華を頼むわよ直樹。」
「わかった。」
「それじゃあね!」
真里香は走ってどこかへ行ってしまった。
「少し元気になったかな?最近ちょっとおかしかったから。」
「ありがとう、真里香ちゃん。」
消えそうなほど小さな声で言う彩華。
「何か言った?」
「何も言ってないよ。それじゃ、次行くよ直樹くん!」
「まだ行くの!?」
「当たり前だよ!男女ペアでカード出さないと賞品もらえないもん!!」
グイッと直樹の腕を引っ張る。
「目指せ、イベントコンプリート!」
「1日じゃ無理だよ!?」
「ダメダメ〜。コンプリートするまで帰しません!」
「えぇぇ〜〜〜!!?」
………………………。
……………。
……。
【寮の中庭】
背もたれのない大きめのベンチに真里香は座っていた。
「なに?」
気配に気づいて、真里香はその者に向けて言う。
「顔、ちょっとマシになったなと思ってな。」
悠斗が真里香の後ろ側に座る。
「あんたに感謝しないとね、背中押されなかったら、あのままズルズル引きずっていたと思う。」
