「(そ、そんな…。)」
彩華は手を伸ばすが、2人はどんどん離れて小さくなっていった。
バシャッと蓮と直樹が湖から出てくる。
「ゲホッ、ゲホッ…。ハァ…ハァ…。」
直樹が咳き込みながら、呼吸をする。
「姉さまの勝利〜!」
どこから出したのか、バッと左手に持った白い旗を上げる。
「まあ、少しは楽しめたよ。」
頭の団子を解きながら言う。いつもの長いストレートになって、濡れた髪が太陽に反射して銀というよりも白く輝いていた。
「くっそ〜!」
後から出てきた彩華が得意分野で負けて悔しがる。
「それでは着替えて次にいきましょう〜!」
優華が楽しそうに言った。
【調理実習室】
「次は料理対決で〜す。」
『料理対決!』と書かれた黒板の前に優華と直樹が座っている。
実習室の端には食材が置かれていた。
「今回のジャッジは直樹さんです。」
「えっ?俺なの?」
「では直樹さん、食べたい料理を言ってください。」
「そうだな……オムライスで。」
「オーダー、オムライスです!」
某テレビ番組みたいにベルを鳴らしながら優華は言った。
「わかった。」
「やるぞ〜!」
2人が食材を選びに食材置き場に行く。
「彩華さんの手料理なんて初めてだな〜。」
