「あ〜や〜か〜?」
眉間にシワを寄せ、低い声で言う。
「姉貴が悪いんでしょ!!」
彩華が立ち上がり、ビシッと蓮に向けて指を指す。
「人を指差すなって教えなかった?」
蓮も立ち上がり、彩華を睨みつける。
バチバチと2人の間を火花が散る。
「次狼さん…ヤバくないですか?」
「ああ、他でやってほしいな、物が壊れると困るし。」
はあと溜め息を吐きながら、みかんを食べる次狼。
「姉さま、姉さん。」
いつの間にか優華が直樹の後ろに立っていた。
「うわああ!?ゆ、優華さん!??」
「それ以上悪化するようでしたら、中立の立場にいる私がお母さんに代わってお仕置きしますよ。」
いつもの笑顔だが、後ろには怒りのオーラが出ており、刀を握る手には力がこもっていた。
「しかたない…。」
「わかったよぅ…。」
優華に言われて、2人の怒気が少し収まる。
「それでは、神崎家法(かんざきけほう)にのっとり、平和に解決しましょう〜。」
怒りオーラが無くなり、癒されそうなほどの笑顔で言う。
「いいだろう。」
「やるわ!」
………………………。
……………。
……。
【魔の森・沙織のテント】
魔の森は、そこだけ季節が違うように暖かかった。
「あの〜。なぜ俺は縛られているのでしょうか?」
