蓮が新しい揚げ物を油に入れながら、片手でケータイで電話をかける。





「あ、沙織〜。あと5匹くらい持ってきて〜。よろしく〜!」





ピッと電話を切り、ポケットに戻す。





「あ、姉貴…聞きたいことが……。」




ゆっくりとした足取りで、彩華は蓮に近づいていく。






「蓮、持ってきたよ。」




ガチャッとドアを開けて、バケツを持った沙織が入ってきた。






「ありがと、置いといて〜。」




「はいはい。」




蓮の机にバケツを置いて沙織が帰る。






「あ…あの、姉貴…。」




パシャッとバケツから水の音が聞こえて彩華がバケツを覗こうとする。







「っ!!?」




バケツの中を見て、驚いて後退る。





「どうしたの?何が入ってるの?」




直樹もバケツの中を覗く。





「うっ!?」




中には5匹のウーパールーパーがうにょうにょしていた。





「さて、処理するか。」




まな板と包丁をどこからともなく取り出す。





バケツから1匹のウーパールーパーを掴み出す。うにょうにょと逃げようとするが、まったく逃げられない。





「やっぱり5等分だよね。」




まな板にウーパールーパーを置き、左手で包丁を持ち、振り上げる。






「ウパ太!!」



おそらく、まな板の上にいるウーパールーパーの名前を彩華が叫ぶ。






「どぉりゃああぁぁぁ〜!!」




蓮が包丁を思いっきり振り下ろす。





「だめぇぇ〜!!」