「最近寒くなってきたね〜。」




銀髪の長いポニーテールが犬の尻尾のようにフワフワと揺れている。







「12月だもんね。」




彩華のすぐ後ろを歩く直樹。





「失礼しま〜す!」




「失礼します。」




2人そろって部室に入る。





部室にはパソコンと向かい合う雪と唐揚げを作りながら食べている蓮がいた。






「あ、唐揚げだ〜!!1つもらいっ!」




パクッと唐揚げを口に入れる。







「あ〜あ。」




パソコンで仕事をしていた雪が、哀れむような目で彩華を見て、すぐに仕事に戻る。






「ウパ子〜!ウパ郎〜!元気かな〜?」




嬉しそうに水槽を覗く彩華。





「昨日も様子見たでしょ?そうそう病気になんてなら――――」





「誰だお前らぁ〜!!」




直樹の言葉をかき消すように、彩華が水槽を持ちながら中にいるウーパールーパー2匹に向けて叫ぶ。






「ウパ子、ウパ郎…一体どこに?」




静まり返る部室に油のパチパチという音だけが聞こえる。





その音に反応するように彩華の顔がそちらに向く。