12月のある日のこと、部室に蓮と雪の2人がいた。




「お腹減った…。雪、奥になんか食べ物なかった?」




長い銀髪を左右で団子にした蓮が、長机の上で寝転びながら言った。






「唐揚げ粉とサラダ油ならあったわよ。」




興味なさそうに、雪がパソコンを使って仕事をしている。






カタカタカタカタカタカタカタ…。





すごい速さでキーボードを打つ。







「相変わらず速いね〜。」



「あんたが言うと嫌味にしか聞こえないわね。」



「最近触ってないからな〜。昔みたいに速くできないよ。そんなことより、お腹減った〜!」





腹減ったとアピールするように、ゴロゴロと転がる。






「森で何か捕ってきて唐揚げにしたら?」





「………………。」




何かを見つめていた蓮が、無言で奥の部屋に入っていく。




カセットコンロと鍋、サラダ油に唐揚げ粉を持ってきて、準備を始める。




「蓮、揚げる物も無いのに準備してどうするつもり?」




「揚げる物ならそこにある。」




蓮の指差す先には小さな水槽があった。





「ちょっと!?そんなことしたら!!」




「大丈夫〜。後で補充しとくから。」




………………………。




……………。




……。