驚いて、直樹を突き飛ばす。




直樹の額から血がドクドク出ていた。






「真里香にクッションが無いのを忘れていたよ。すまない、直樹…。」




「会長?え?私にクッションが無いってどういう……。」




もう一度、目線を下げてみる。





ぺた〜ん。




「くっ……。たかが脂肪よ?男はそんなに脂肪が大事なの!?」




「大事じゃないよ、ただ今回は必要だっただけだ。」




彩華を寝かせて、真里香の肩に蓮がポンと手を置く。






「うわぁぁぁ〜ん!」




真里香が蓮に寄りかかりながら、声を上げて泣く。





「ん……あれ?真里香ちゃんが泣いてる…。」




目をこすりながら体を起こす。






「およ?直樹くん、どうしたの?」




「と…とりあえず、輸血…を……ガクッ。」




ブシュッと額から血を吹いて、直樹は倒れた。





「お〜い、直樹く〜ん?生きてる〜?」




ツンツンと直樹の頬をつつきながら言う。






「うわぁっ!?スカートとスパッツが無い!!?」




自分の姿を見て飛び跳ねて驚く。






「姉貴〜!スカートが〜。」




「これでも巻いて、早く寮に帰りな。」




蓮が自分のブレザーを渡し、彩華がそれを巻いてダッシュで寮に帰った。





「ほら真里香、寮に帰るよ。」




「はい……。」




真里香を支えながら、2人も寮に帰った。






「お…俺の…存在は無視…ですか……。」




この後、定食用の魚を捕まえて学園に帰ってきた沙織に発見されるまで、直樹はその場に倒れていた。