「人気の無い場所に連れ込むつもりか、直樹!?彩華はダメだ!!!」
蓮が走りながら言う。
「そんなことしませんよ!!」
「そんなに彩華がいいのか…。見る目は認めよう、だがしかし!私の許可なく交際は許さん!!」
「あなた親ですか!?」
「私は親から彩華の相手を判定する権利をもらっているんだ!」
走りながら腰に手を当て、どうだと言わんばかりに胸をはる。
「なんで彩華さんだけなんだろ?まあいい…とりあえず逃げないと!」
走っていると、前方に見知った顔を見つけた。
ピンクのような淡い紫色のショートカット、巡回中のようで右手に特殊グローブをはめている。
「あら?直樹じゃない。こんなとこで、な――――」
直樹が抱えているモノを見て、真里香が絶句する。
「こ、この変態!!」
「うべっ!?」
真里香に顔面を殴られて、後ろに吹き飛び、彩華も宙を舞う。
「よっと。」
蓮が彩華をキャッチする。
彩華に続いて、直樹も蓮に向かって飛んでくる。
「せい!」
「うがっ!?」
彩華を抱えながら、蹴りを直樹の腹に入れて、吹き飛ばす。
「え?」
直樹は真里香に向かって飛んで行く。
ドガッとぶつかって、2人は倒れ込む。
「いたたた…。」
真里香が後頭部をさすりながら体を起こす。
真里香が目線を下にすると、直樹が自分の胸に顔をうずめていた。
「ち、ちょっと!?直樹、あんたドコに…。」
