出てきたのは、銀色の長髪をポニーテールした女の子。彩華だった。
「あはは…。似てる人は3人くらいいるよね…。」
『確認終了、彩華本人です。』
「うわああっ!?」
急いで猫スーツを脱いで、彩華に駆け寄る。
「彩華さん、大丈夫!?」
肩を揺するが彩華は気を失ったままだった。
「ヤバいヤバいヤバい!俺の身に危険が迫るパターンだ!」
直樹がどうしようか迷っていると、背後から殺意を感じた。
「私がいつ妹のスカートとスパッツを取れと言った?」
「これには深い訳がありまして…。」
怖くて振り返らずに直樹が言う。
「訳?それはじっくり聞かないとね〜。」
「(怖すぎる…。ここは逃げよう!)」
直樹は立ち上がると、そのままダッシュして逃げ出した。
「彩華をどうするつもりだっ!?」
「え?あ…。し、しまったぁ〜!!」
蓮に言われて、直樹は初めて気が付いた。自分が彩華を抱えながら走っていることに。
