カプッと耳をあまがみされる。
「ヒィヤァァ!?」
急にあまがみされて、直樹は変な声を出してしまう。
「プッ…。あはは、あーはっはは!なんだその声、耳が弱点か直樹?」
蓮が急に笑い出す。
「会長…ゾンビなったんじゃ?」
「なるわけないだろ〜。あっはっはっは!」
腹を抱えながら笑う。
「バカ野郎!」
「痛い!?」
ポカッと次狼が蓮の頭を叩く。
「ねぇ直樹くん。瀬藤さんがいないよ。」
彩華に言われて直樹が辺りを見回す。
「本当だ、どこいったんだろ?」
「誰か他にもいたのか?」
「はい、瀬藤さんってオカルト部の人が。」
直樹の言葉に、蓮と次狼が顔を見合わせる。
「直樹、オカルト部なんて存在しないぞ。」
「え……。」
次狼の言葉に直樹の思考が少し止まる。
「もう何十年も前に廃部になったと資料に乗っていた。確か、何か事件があったとかで生徒が亡くなったらしい。」
「その生徒の名前は…?」
「俺は知らないな…。蓮、知っているか?」
「新聞の切り抜きがあったけど、かなり劣化してたからね…。名前はわからないけど、眼鏡をかけて、髪は三つ編みだったと思うよ。」
女子生徒の特徴を聞いて、直樹はゾクッと急に肌寒くなるのを感じた。