髪と体を拭いて、そのタオルも、先程脱ぎ捨てたように、ポイッと投げる。
生まれたままの姿で、ゆらゆらと歩きながら寝室へ入る。
一番近いベッドに潜り込み、もう限界という感じに瞳を閉じて、女の子は眠りについた。
……………………。
……………。
……。
時刻は8時ちょうど。今日は祭日で学校は休みだ。
「(なんだろ?すごく懐かしくて、安心する香りだ。)」
何かに包み込まれるように、ぐっすり寝ていた直樹がいい香りに脳を起こされる。
「(嫌だ。まだ起きたくない…。)」
布団の中で丸くなろうと、頭を突っ込もうとすると、何か柔らかい物に行く手をさえぎられる。
「(枕か?いつのまに…。邪魔だな。)」
枕を投げようと掴む。
ムニュ。
「はい?」
さすがに枕の感触ではないので直樹が目を開ける。
「メロンが2つ…。」
次に視線を上に上げる。
「会長が1人…。」
そのとき、直樹の寝起きで回転の悪い頭の中では、脳内会議が始まっていた。
