『無名県で本日の深夜に、研究所が爆発する事件が起こりました。この研究所は無名県でも最大の大きさで、今までも数々の新薬を生み出し、病に苦しむ人達に希望を与えてきました。なお、今回も警察の会見では、事故であり死者はいないということです。この約1ヶ月の間に立て続けに起きた事故で死者が出なかったのは奇跡と言えるでしょう。』
「あれだけ爆発事故が起きて死者はゼロか…。確かに奇跡だな。」
定食の焼き魚を食べながら直樹は呟いた。
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【生徒会室】
部屋にかかっているアンティーク時計は夜の11時を指していた。
「結局、今日も帰って来なかったな…。」
菫と雪と次狼は普通に登校するようになって2日が過ぎたが、蓮だけはまだ帰っては来なかった。
3人に聞いても、すぐに帰ってくるよとしか答えてくれない。
「ふあ〜。眠い…今日はここで寝るか。」
隣の寝室のドアを開けて、ハンガーに制服をかけて、2つあるうちのドアに近い方に、Tシャツとトランクス姿で布団に潜り込むと、直樹はすぐに寝てしまった。
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