「そろそろか。」
菫がお茶セットとシートを片付け、黒龍を腰に携えて立ち上がる。
前方から黒のリムジンと3台の装甲車が走ってきていた。
リムジンが一気に加速し、装甲車と一定の距離を開ける。
菫の横をリムジンが走り去り、振り返って居合いの構えをとる。
抜刀すら見えない速さで刀を鞘に収めて、バイクに乗って走り出す。
装甲車が菫がいた場所を走り過ぎようとしたとき、切られていた道がその重みで崩れて装甲車が落ちていった。
少し離れた場所で3人が合流した。
「助かったわ、菫。」
麗花が車から降りて、バイクに乗る菫に近づく。
「久しぶりに3人で集まれるしね。アクシデントが起こらなくても来ていたよ。さて、蓮。これからどうするんだ?」
「始めよう。」
オレンジ色の空を見つめながら蓮は言った。
「平和のための戦争を…。」
蓮の言葉に菫と麗花が頷く。
この日から約1ヶ月の間、この世界の裏側で戦争が続くことになる。