麗花が目を閉じる。
ズガガガガガガガッ!ドオオーン!!
「パトレッシュ…疲れたろう?」
「にゃ〜。」
ドオオーン!ドオオーン!!ズガガガガガガガッ!!
「(銃声のバックサウンドのせいで、ネルとパトレッシュの背景が戦場に見えてしまう……。)」
自分が大好きな作品のイメージが変わってしまい、麗花が心の中で呟きながら涙を流す。
「(でも、流石は感動的なシーン。あの蓮も静かに見ているし。)」
チラッと蓮を見た麗花が愕然とする。
蓮は両手で口を塞いで、今にも笑い出すのを堪えていた。
「(なぜ!?どこに笑える要素があるの!?私、音声だけでも涙出そうになるのに…。)」
「ププッ…。あはは…。あっははは〜!!もう無理、笑える〜!ヤバい、涙出てきた。ククッ…。あ〜っははは〜!!」
蓮は別の意味での涙を流していた。
さっきより強く蓮の首を絞める麗花。
「う…。ぎ、ギブ…ギブギブ!」
「私の好きな名作を汚さないでくれる…?」
「すみませんでした…。」
首絞めから解放された蓮が誤る。
「あなたは昔からおかしいのよ。菫の家で初めて出会った次の日、幼稚園が終わった後…。我が家の防犯システムを破って、私の部屋でくつろいでいた。しかも私よりも早く…。」
「懐かしい話しだな。今でも警備員達の慌てふためいた顔が目に浮かぶ。」
