逃げ道を限定され、蓮が前へ走り出す。
走りながら、蓮がポケットから先にアンカーが付いたワイヤーを取り出す。
「本気で戦うのもおもしろそうだけど、今日は気分じゃないんだよね〜。ごめんね、氷先生。」
蓮が投げたワイヤーはジェノサイドの真後ろの電灯の先端に巻き付く。
「っ…!?」
氷が何かを恐れるかのように、急いで操作して、カチューシャを撃つのを止めて、アタッチメントとガトリングガンを元の位置に戻し、ガトリングガンを後ろに向けて電灯を撃つ。
ガトリングガンの攻撃を受けて、ワイヤーは切れ、電灯の上半分は跡形も無くなっていた。
「前と同じ事はやらせないわよ〜。」
「まさか後ろの教室にかまわずに撃つとは思わなかったですよ。」
ジェノサイドの前で、ワイヤーの切れた先を見ながら蓮が言った。
「あそこ生徒会室ですよ、人がいたらどうするんです?後で修理費請求しますから。」
「今日は休みだしね、あなたが遊んでるってことは、他のメンバーもあそこにはいないわね。修理費か〜、踏み倒すって言ったら?」
アームが伸びて、蓮にガトリングガンを突きつける。
ピンポーンと放送が鳴る。
『佐々木先生、今すぐ理事長室に来なさい。』
渋い声が校内に響いた。
「どうして…理事長が?なんで呼び出し…?」
