牛乳と猫スーツ。




「直樹、彩華と一緒に屋上へ行きな。」




蓮は彩華を下ろし、2人を庇うように立つ。






「は、はい!」




直樹は彩華の手を引いて、階段を駆け上って行った。





「さぁ、もういいかしら?」





「ええ。準備運動もしたし、いつでもどうぞ。」



蓮の返事に、氷はニッコリ笑う。同時に、ジェノサイドのガトリングガン4門が蓮を狙う。





スガガガガガッと、轟音が響き渡る。無限ともいえる銃弾を、蓮は縫うように駆け抜ける。窓際を走る蓮を追うように銃弾が壁を破壊していく。





蓮は張り付くように背中を床につけ、左足で蹴って後ろへ滑る。





破壊された壁を抜けて、蓮は外に出た。





「(ガトリング相手に狭い廊下じゃ不利――)」





蓮が急に左に飛ぶ。今さっきまでいた場所に、ミサイルが着弾した。




蓮が出てきた壁を破壊しながらジェノサイドが外へ出てきた。






「さすがは会長さんね、コンピューターの反応速度じゃ倒せないわ〜。」



「なら降参します?」




「しませんよ〜。」





氷がリモコンを操作すると、ジェノサイドの頭部が開き、彼女は中へ入る。




「コックピットなんて無かったよね…。」




蓮が苦笑いしながら言う。




コンピューターでは限界がある。それを自分で操作することで補うのだ。




「まずは装備、それから反応速度を確認。」





自分の言葉に頷いて、蓮は走り出す。




ジェノサイドが動き出す。折り畳まれたアームが立ち上がり、4本の手のようにガトリングガンが伸びる。




アームによって動きを阻害されることなく、ガトリングガンは蓮に向かって撃ち続ける。





蓮はジェノサイドを中心に、円を描くように走った。一周すると、蓮はバックステップで後退した。