「楽しかったね〜!次何する?」
「そうだな…。ところで直樹、なんでそんなに疲れているんだ。」
後ろには壁に手をついて肩で息をしている直樹がいた。
「死ぬかと思いましたよ…。」
「そう?楽しかったよ〜!」
彩華がケタケタと笑う。
「さて、次は…。野球でもするか。」
………………………。
……………。
……。
「なんだこれ…。」
直樹はテニスの練習用のゴムボールを持って立っていた。
西側廊下の一番端に。
「さあ、こ〜い!直樹くん!!」
彩華がプラバットを持って構えている。
東側廊下の一番端に。
「なんじゃこりゃ〜っ!!」
耐えきれずに直樹が叫んだ。
「野球だぞ〜。」
キャッチャーのポジションにいる蓮が直樹にギリギリ聞こえる声で言った。
「遠すぎでしょうが〜っ!!」
「男なら届かせろ〜。」
それならあんたがやれと言いそうになったが、今は女バージョンなので言えない直樹。
