「今のうちだな。直樹、バイクに乗れ!」
「バイク?ああ、この原付か。」
近くにあったスクーターにまたがる。
「はいは〜い、詰めて詰めて〜。」
後ろから彩華が乗ってくる。
「彩華さん!?コレ1人乗りだよ?」
「いいからいいから〜。姉貴〜行くよ〜?」
「よし、直樹発進だ!」
さらに蓮が飛び乗る。
「だから1人乗りですって!てか、その前に俺免許持ってないですよ!!」
「敷地内だ、気にするな。」
「そうだよ〜!ほら、発進発進〜!」
彩華が後ろから手を伸ばし、エンジンをかける。
「どうなっても知りませんよ!」
右のグリップをグイッとひねり、発進する。
「コラ〜!待ちなさい!」
真里香がワイヤーでロケットを叩き落としながら近づいてきていた。
「う〜ん、30点ってとこかな。もっと鍛えなさいな〜。」
そう言って、蓮がピッとリモコンのボタンを押すと、飛んでいたロケット数個が急上昇して破裂し、あの液体が振ってくる。
「え?う、うそ〜!!?」
バシャッと頭からノリをかぶった。
ついに風紀委員全員がノリの前に敗れた。
なんとか風紀委員を振り切って、ただでさえ初めての運転なのに、3人で乗っているからフラフラ運転だった。
とりあえず駐輪場に行き、スクーターを駐車して校舎に入った。
