「そうか、それじゃあこれに名前を書いてくれ。」
会長から入部届と書かれた紙を渡され、サインして返す。
「うむ、ではこのカードを渡そう。」
渡されたカードには直樹の写真と名前があった。
「なんで俺の写真と名前が…?」
「お前なら入ってくれると思って事前に作っておいた。」
この人は予知でもできるのだろうか…。
「そのカードがあれば生徒手帳じゃ開かない場所のセキュリティーを解除できる。まあ他にも色々とあるんだが、今は説明する必要は無いな。」
この学園は一部の特別教室や通路、夜間の校舎にセキュリティーがあり、学園生活に必要な場所は生徒手帳についてあるカードで開けられるが、前者の場所へは教職員と一部の生徒がもつカードでしか開かないようになっている。
「仕事をする上で必要になるからな。特別に発行しているんだ。SSC(スペシャル・セキュリティー・カード)と言う名前なんだが、彩華が言うには、ぎるどかーど?と言うらしいがよくわからん。」
やっぱり彩華は完全にゲームマニアだった。
「私と同じEだね!ランクは1だよ〜。」
カードを覗き込んだ彩華が言う。カードの端にはEと書かれていた。
なんだろうと考えていると
「ランクがあって、入れる場所も変わるんだよ。」
雪さんが教えてくれた。
「ところで、この部の名前は何なんですか?」
「一応ボランティ―――――」
「諜報、探索、戦闘、何でも来いの、ねこねこ団よ!!」
会長の言葉を彩華がかき消すように叫ぶ。
「ねこねこ団だ……。」
完全に諦めた顔で会長が言う。
こうして直樹はねこねこ団に入部した。