「それじゃあ、ぎゅ―――――」
「ダメ。」
直樹が言う前に真里香に断られる。
「風邪のときに牛乳なんて飲まないでしょ。」
「ダメなら最初から言ってくれ…。オススメは?」
「やっぱりスポーツドリンクね。」
真里香が自分の鞄からスポーツドリンクを取り出す。
「今日から連休だけど、真里香はどっか行かないの?」
手渡されたスポーツドリンクを飲みながら直樹が聞いた。
「明日、ソフトボールの試合の助っ人を頼まれてるから、休みは寮にいるわ。」
「そうなんだ。部活には入んないの?」
「私、部活入ってるわよ。」
何を言ってるの?というような顔で真里香が言う。
「え?初耳だけど…。」
「言ってなかった?私、家庭科部よ。」
「料理研究部じゃないんだ…。」
「ああ…。お姉様をはじめ、あそこは味覚がおかしい人や料理ができない人の集まりだから……。」
流石の妹も、姉の料理はフォローできないらしい。
