「明日から連休だろ?親に呼ばれててな、ちょっと実家に帰るんだよ。」
悠斗が少し顔を布団から出して話す。
「そっか、なら休んで治さないとね。」
「だろ?それじゃ、おやすみ〜。」
完全に布団に潜り込んだのを見て、直樹が食べ終えた鍋を流しに持って行く。
「さて、宿題でもするか。」
洗い終えて、濡れた手をタオルでふき、鞄から数学と英語の教科書とルーズリーフを出して机に向かう。
こうして1日が過ぎていった。
【次の日】
ピピッと体温計が鳴る。そこには39度という数字が出ていた。
昨日と同じような1日の始まり。
少し違うところは…。
「完全に俺の風邪だな。」
渡された体温計を見て悠斗が言った。
「体がホントに動かない…。」
違うのは風邪が直樹に移ったというところだろう。
「直樹、やっぱり今日は止めとくぜ。」
「大丈夫だって、気にしなくてもいいから。もうすぐバスの時間だろ?早く行けって。」
「そうか?なんかあったらすぐ電話しろよ?」
