鼻先が触れそうになるところまで近づくと、そっと両手を悠斗の頬に当てる。
「マジか!?実は俺、キスは初めてだ!!」
顔を赤くして悠斗が期待を膨らませながら、目を閉じる。
「うがぁ!?」
エリーゼに口を強引に開けられて、悠斗が驚く。
「あうーえ゛?あうお!?(エリーゼ?何を!?)」
口を開かされているため、うまく話せない悠斗。
「ぐばぁ〜〜。」
エリーゼが口を開いて、薬を悠斗の口に流し込む。
「ぐべごがぁぁぁぁぁぁ〜〜!??」
いきなりだったので、吹き出す悠斗。
「ン〜。口移しは難しいデスネ。」
「違うっ!!口移しってのは、キスの状態から相手に流し込むことだぁ〜!!」
期待を打ち砕かれて、悠斗が叫ぶ。
「Oh!そうだったノ?また1つ勉強になったヨ。」
「あはは…。エリーゼ、後はやっとくから。」
「そう?ならエリーゼは帰るネ。」
エリーゼが笑顔で部屋から出て行く。
「自分で飲めるだろ。」
悠斗の口に薬を入れて、次にミネラルウォーターを入れる。
「ゴク…。いや、男なら一度は経験してみたいだろ?」
「いや別に。」
「おもしろくねぇ〜な〜、直樹は。おもしろくないから寝る。」
悠斗が布団の中に潜り込む。
「明日までに治さなきゃいけないしな。」
「悠斗、明日何かあるの?」
