ノックもせずにドアを開けて、ナース服を着たエリーゼが入ってくる。
「エリーゼ、会長に怒られてたんじゃ…?」
「怒られたヨ〜。でも、レンは無駄に長い説教はしないんデス!ナオキに薬を渡してくれって言われたから、持ってきたんだヨ。」
ポケットから小さなケースを出す。
「熱がヒドイなら解熱剤あるケド?」
「熱は大丈夫だよ、風邪薬あるならもらえる?」
「あるヨ〜!」
ケースからカプセルタイプの錠剤を取り出す。
「悠斗、薬飲める?」
「そうだな…。エリーゼ、口移しで頼む。」
悠斗が真顔で言った。
「悠斗……あんまりバカなこと言うなって…。エリーゼも困―――――――」
「イイヨ〜。」
エリーゼも真顔で言った。
「そうですか…。本人がいいなら、何も言わないよ…。」
「それじゃあ、チョット失礼するネ。」
そう言って、エリーゼが悠斗の上に馬乗りになる。
短いスカートから薄いピンク色の物が見えるが、直樹はすぐに視線をずらす。
エリーゼは、ミネラルウォーターと薬を口に含み、ゆっくりと顔を悠斗に近づける。
