【男子寮・直樹と悠斗の部屋】
「ウギャァァァアアアアア〜〜!!!」
ドアを開けようとすると、悠斗の悲鳴が聞こえた。
「ゆ、悠斗!??」
急いで部屋に入ると、悠斗が泡を吹いていた。
その隣には真由香がおり、恐らく悲鳴の原因と思われる小さな鍋が机に置かれていた。
「真由香先輩!?どうしてここに…?」
「真里香ちゃんに、悠斗ちゃんが風邪だって聞いたから、お見舞いに来たの〜。」
悪意0%の笑顔で笑う真由香。
「ああ…なるほど。だからおかゆを…。」
「ん?おかゆじゃないわよ。悠斗ちゃん、いつも学食で食べてたから好きなんだと思って…。」
真由香が机に置いていた鍋の蓋を開けると湯気がボワッと出る。
「ラーメンよ〜。」
真由香の笑顔とは裏腹に、そのラーメンは殺人的な赤色をしていた。
「す、すごく…赤いですね……。」
「体暖めた方がいいでしょう?色々入れてみたの〜。」
真由香が嬉しそうに話していると、上着ポケットからケータイの着信音が鳴る。
「あら?ごめんなさいね。」
ケータイに出ると、どうやら相手は真里香らしい。
