傑作の紙飛行機を潰されて、エリーゼが絶望を体験したような顔になる。
これで大人しくなるだろうと思い、直樹が黒板に書き足されたとこをルーズリーフに書き写す。
すべて書き写し終えたと同時にブスッとまたもや紙飛行機が刺さる。
紙飛行機を取り、エリーゼを見ると、手で広げて見ろとジェスチャーする。
広げてみると、ドラマでよく見る、雑誌や新聞を切り取り貼り付けた脅迫状のようだった。
内容は初めて作った紙飛行機を握りつぶされたことによる怒りをつづった物だった。
あの短時間でよくこんな物を作れたなと、直樹は逆に感心する。
エリーゼの机には世界史の授業なのに、国語や英語などの教科書があり、その上には小さいカッターが置かれていた。
直樹はもう一度紙飛行機を折り直して、前の教卓に飛ばす。
「???」
直樹の行動にエリーゼはパチパチと大きくまばたきしながら眺めていた。
「ン〜?……………。ン?…………………!!?」
エリーゼは数十秒ほど考えて、ようやく直樹の行動を理解し、飛び跳ねて驚く。