「ん?優華と直樹か、沙織には会えたか?」
「会長、なんなんですかあの人?」
「あはは、一言で言うならマイペースだよ。」
笑いながら言う。
「笑い事じゃないですよ…。なんか誰かに似てるんですよね、あの人…。」
「ああ、それは恐らく――――」
「蓮!ちょっとフォーム見てくれないか?」
蓮が言いかけたときに、部員に呼ばれる。
「悪いな、行ってくる。まあ、沙織はああ見えてしっかりしているから、安心しろ。」
そう言って、グラウンドへ走って行った。
「安心できないんですけど…。」
「とりあえず先生に報告しに行きましょう。」
2人で職員室に行き、こーちゃん先生に報告してこの日は終わった。
そして次の日。
【1年2組の教室】
こーちゃん先生が元気な声で出席をとっている。
「南条さ〜ん。」
「はい。」
沙織の返事にこーちゃん先生がいつも以上の笑顔になる。
「それでは1限は体育です。いっぱい体を動かしてきてくださいね〜。」
こーちゃん先生が出席をとり終えて、教室から出て行く。
「1限から体育か、午後の授業は寝てしまうかもな…。」
「直樹。」
直樹が呟きながら鞄から体操服を出していると、沙織に話しかけられた。
