「仕留めた。」




ガサガサと近くの茂みから制服を着た女の子が出てきた。




若葉のような明るい緑色のロングヘアー、瞳は宝石のアクアマリンのように透き通った水色をしている。





彼女が南条沙織である。






「ふむ、やはりエサは人間がよかったのか。どうりで他のエサだと食い付かないわけだ。」





沙織が1人で理解して頷きながら言う。






「おい!勝手にエサにしるんじゃねぇ〜!!てか、早く外せ!」





宙吊りのまま、直樹が叫ぶ。






「おっと、すまない。今外そう。」





沙織が上着のポケットから小型のナイフを取り出して投げる。




ブチッと両足を拘束していた縄が切れる。






「うわああああ〜っ!!?」




そのまま直樹が湖に落ちた。






「死ぬかと思った…。」




なんとか湖から上がり、上着をギュッと絞る。






「大丈夫ですか?」




優華がハンカチで直樹の顔を拭いてあげる。




「君のおかげでアイツを仕留めることができた、言わば命の恩人だ。礼がしたい、何でも言ってみろ。」




沙織が腕を組みながら、直樹に言う。