「地味に最先端技術入ってるな、このトラップ!!」




「直樹さん!湖の中に何かいます!!」




直樹も慌て湖を見る。透き通る水の底の方で何か大きな影が見えた。







「なんだ……あれは…?」



徐々に水面に近づき、大きな影がさらに大きくなる。




背ビレが水面から出てきた。それだけでも3、4メートルはあった。







「デカい…。魚なのか?」


まるで狙いを定めているかのように、直樹を中心に回りながら泳ぐ。







「これ……ヤバくね…?」



直樹の額から汗が流れ、湖に落ちた。






それが引き金になったようだ。まるでサメの近くで血を流したように、大魚は興奮して一気に潜水して、スゴい勢いで飛び跳ねた。




飛び跳ねた大魚の姿は、魚と言っていいのか迷った。まるで怪物のような姿だ。





背ビレだけでなく、胸ビレ、尾ヒレまで大きい。さらに至る所にトゲが付いている。





体の色は紫色、目玉は血のように赤い。





「く、食われる〜!!」



直樹はグッと目を閉じた。







「直樹さ〜ん!!?」




優華が叫んだときだった、2人が歩いてきた方からドンッと轟音が鳴り響き、先端を鋭く削った丸太がすごいスピードで飛んできた。






それは直樹を食べようとしていた大魚のエラに刺さり、飛んできた反対側にあった大木に突き刺さった。