「そうですね。でもこのタイプは初めて見ました〜。緑色でブクブクと泡が出てます。」
「へ?」
優華の言葉に直樹が固まる。
いつものスライムは少し濃い青色か半透明だ。
「(緑色で……泡がブクブク?)」
直樹が考える。
「まさか!?」
直樹が振り返り、優華の足元を見る。
それは、いつものスライムのようなゲル状ではなく、むしろ液体だ。
そして緑色で本当に泡がブクブクと出ている。
しかもそれには顔があった、優華に踏まれながらもヘラヘラと薄ら笑いを浮かべている。
「なんでしょう?この異様な臭いは…。このスライムから出ているようですけど。」
「うおおぉぉっ!!?ダメだぁ〜!優華さん、そいつ毒持ってるよ〜!!」
直樹が優華の手を掴み、全速力で走った。
【魔の森・南東部、湖付近】
「はぁ、はぁ、はぁ…。優華さん、大丈夫?」
「はい、大丈夫です。まさか毒を持っていたなんて…助かりました。」
2人は近くにあった椅子のような物に腰掛ける。
