あなたの背中が小さくなっても、私の足は動かなかった。
ポツリと頬に雨が一粒落ちる。
「私は強くなんてないよ」あなたの前では笑っていたかったから、いつも1人で泣いてる。今も雨に隠れて泣いているんだよ…。
雨がどんどん強くなる、私の泣き声をあなたに聞こえないよう隠すように…。
雨がどんどん強くなる。「嫌だ」とあなたに叫ぶ私の声を掻き消すように…。
歌い終わり、蓮が髪を手で払う。
集まった人達が一斉に拍手する。
この後もライブは盛り上がり、今年の文化祭はすごく盛り上がって終わった。
いつの間にか空がオレンジ色になっていた。
「あれ?」
直樹が寮に帰る途中、ベンチに座って綿菓子を食べている蓮を見つけた。
「綿菓子好きなんですか?」
言いながらベンチに座る直樹。