「まさか会長がライブに出るとは…。」




「お姉様に聞いたことあるけど、去年もやったらしいわよ。」




「ホントになんでもありな人だな会長は…。」





直樹が真里香と話していると、2、3年の生徒が今まで以上に盛り上がっていた。





ステージにはメイド姿の蓮と雪と菫、ウエイター姿の次狼が上がっていた。






菫はベース、次狼がドラム、蓮と雪がギター、マイクは蓮の前にあった。




『さあ、2、3年にはお馴染みの生徒会バンド、Water・Lily(ウォーター・リリィ)だぁ〜!!』





マイクを持った放送部長の滝沢成美がノリノリで紹介していた。






「water lily…睡蓮ね。」




真里香が呟く。






「それでは一曲目を演奏してもらいましょう〜!曲は涙雨〜!」




次狼のスティックを鳴らすと3人が楽器を弾き始め、蓮が歌い出す。






♪…あなたからの電話、初めて出会ったあの場所に来てほしい。





お互い仕事でなかなか会えず、久しぶりに会えると思い、普段は着ない服を着て、メイクもバッチリ、走ってあの場所へ。



見上げると曇り空だったけど、傘を取りに帰る時間が惜しい。





普段遅刻ばかりのあなたが今日は先にいた、真剣な顔をして…。





口を開いて言った、あなたの言葉「別れよう」
時が止まったかのように立ち尽くす私。





なぜか「うん」と笑顔で頷く私。どうして笑っていられるの?と心の中で自分に問いかけるが返事はない。





「君は強いから大丈夫」そう言って去るあなた。