直樹が次狼と話していると、雪の指導を終えた蓮が直樹のテーブルまで歩いてくる。
「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様。メニューはお決まりでしょうか?」
「(も、萌え〜!!!)」
直樹は生まれて初めて、『萌え』という言葉を心の中で叫んだ。
「とりあえず、牛乳ください…。」
なんとか平常心を保ちつつ、注文する直樹。
「私はオ〜レンジジュース!」
「カフェオレでお願いします。」
蓮が3人のオーダーをメモする。
「ご主人様、牛乳とオレンジジュースとカフェオレをお願いします。」
蓮が次狼に向かって言う。
「俺は同じ店員だ。ご主人様なんて言わなくていい。」
「そうなのか?1つ勉強になった。」
蓮がメモ帳に書いていく。
「前々から思っていたんだが、お前は知らないことに関するとバカになるぞ。」
溜め息混じりで次狼が言う。
「失礼だな、覚えようとしているだけだ。」
「吸収し過ぎるんだ…。とりあえず、飲み物入れてくる。」
蓮からオーダーの紙を奪って、仮設の厨房に入って行った。
