「中の出し物も見に行こうか?」
直樹が2人に言う。
「そだね〜。」
「行ってみましょうか。」
2人が頷いたので行くことにした。
「どこ行こうか?あ、お化け屋敷か〜。定番だね、行こうか。」
直樹が歩き出そうとするが、腕を組んでいる2人が動かないので進めなかった。
「2人とも、どうしたの?」
2人に聞いてみるが、反応がなかった。
「(お化けなんていない、お化けなんていない、お化けなんていない、お化けなんていない…。)」
「(プラズマ、プラズマ、プラズマ、プラズマ、プラズマ、プラズマ…。)」
彩華と真里香は頭の中で、そう言い聞かせる。
「ごめんね、行こっか。」
「悪かったわね、行きましょう。」
2人に引かれて、お化け屋敷に入る直樹。
電球は何個か外されて、残っている電球には赤いセロファンが貼られており、暗幕は下の方がボロボロになっている。BGMなのか、時折女性の悲鳴が聞こえる。
「けっこう凝ってるな〜。」
「「……………。」」
2人は黙って、ギュッと直樹の腕にしがみついている。
「あはは…。とりあえず、進んでみようか。」
ゆっくりと歩き出すと、火の玉が現れた。
「キャャャャ〜!??」
「おぶぅ!!?」
真里香が骨が折れんばかりの力で直樹に抱きつく。
「ちょっと、直樹!あなた男でしょ?なんとかしなさいよ!!」
