牛乳と猫スーツ。




直樹は理解した。





「神は神でも、死神だぞ。」



「何を言っている?今の状況が理解できないのかい?」





「お前も理解した方がいいぞ。もう死神の攻撃範囲内だ。」





ヴィィィィィン、ギィィィィィィ!!




モーターの回転音と何かを削る音。





ドーンと轟音と共に大きな木が、直樹と柴田の間に倒れる。





「なんだ、この木は!?一体誰が――――――――ヒィィィィ!!」




柴田が木の根元の方を見ておびえる。





風に舞う銀色の長い髪、鋭い目つき、獲物を逃がさない凍てつく眼光、両手に持ったチェーン・ソー。






「遅かったですね、会長。」




「敵に銃を盗られるとは、たるんでるぞ直樹。」


蓮が直樹達の方に近づいてくる。






「クソ!こんなところで!!」




柴田が蓮に向かって銃を連射する。





蓮は歩みを止めることなく、左手に持ったチェーン・ソーだけで銃弾をはじき落とす。






「そんな……化け物…。」



「悠斗は言わなかったか?私を敵にするとどうなるか…。」




ヴィィィィィンと両方のチェーン・ソーの刃が回転を始める。