【魔の森】
「見失っちゃったな…。」
直樹が途方に暮れていると。
「にゃあ。」
シロウが肩から降りて、まるで付いて来いと言っているようだった。
「シロウ、わかるのか?」
「にゃ。」
短く鳴いてシロウが走り始める。直樹はその後を追う。
数分後、少し開けた場所に出た。そこには柴田がいた。
「すごいぞ、シロウ。」
直樹がシロウの頭を撫でてやる。
シロウを肩に乗せ、懐から銃を出して、狙いをつける。
約8メートル先、目標は柴田の持ってるカメラ。
ドンッという銃声と共に柴田の持っていたカメラが壊れる。
「うわぁぁぁ!?か、カメラが!!」
カメラが壊れ、驚く柴田。
「動かないでもらえると助かる。」
「ひぃぃぃ!?」
そんな柴田の後頭部に銃を押し付ける直樹。
「生徒会室まで来てもらうよ。」
「は、はい!!行く、行きます!だから撃たないでくれ!」
直樹が柴田の腕を掴もうとしたとき。
イィィィンと何か回転する音が遠くで聞こえた。
「なんだ?」
「隙ありぃ〜!」
一瞬の隙をついて、柴田が直樹の銃を奪う。
「神は私を裏切らなかった!!私の勝ちだ!」
ヴィィィィィンと今度ははっきりと聞こえた。
