「だ、大丈夫ですか!?直樹さん?」
優華が駆け寄る。
「う……白?」
「えっ?あ…イャャャ〜ッ!!」
「げべぶがっ!?」
今度は優華に蹴り飛ばされた。
ちょうど彩華が座っている前に落ちる。
「生きてる?直樹くん。」
「な、なんとか…。」
彩華の方を見かけて止まる。
「(また見たら蹴られてしまう。って、彩華さんスパッツじゃん……しかし、なんだか複雑な気分…。)」
はぁと直樹が溜め息を吐く。
「あ。直樹くん、私がスパッツだからガッカリしたでしょ?」
「そ、そんなことないよ!」
慌てて否定する直樹。
「とりあえず、直樹と真里香は残りの2人を探してくれ。私も後から行く。」
パソコンを操作しながら蓮が言う。
「わかりました。」
「了解です、会長。」
直樹が肩にシロウを乗せて、真里香と2人で生徒会室を出て行った。
「さて、行こうか…。」
棚から大きな長方形のケースを2つ取り出して、蓮が生徒会室を出ようとする。
「あらあら、蓮ちゃん。そんな物騒な物を持って行くの?」
「ええ、彩華を泣かせた罪は重いですから…。」
微笑みながら、蓮が出て行った。
