調理実習室に近づいたとき、優華の姿を見つけた。
制服の上から白いフリフリのエプロンをつけて、腰には鎖で封印されている刀があった。
直樹はその姿に見惚れてしまいそうになったが、優華の前に写真部の1人、川口がいることに気づく。
今まさに写真を撮ろうとしている。
直樹は銃を撃とうと、シロウは飛びかかろうと、真里香はワイヤーを飛ばそうとするが、それよりも早くに川口を攻撃した者がいた。
「先程、姉さまからメールが来ました。写真部が盗撮をしていると…そして姉さんを泣かせたと!」
優華だった。
封印された刀でカメラを突き破って、喉元に突きつけていた。
「ヒィィィィィ〜ッ!俺じゃない、泣かせたのは俺じゃないんだ!」
「そうですか…。なら殺しはしません。」
突きつけていた刀が喉元から離れ、一安心する川口。
「半殺しです。」
「え?―――――ぐべがぼらっ!!?」
刀で殴られ、川口が直樹達の方へ吹き飛んできた。
「あれ…優華よ……ね?変装した会長じゃないわよね…?」
「ああ、優華さんだよ…。半殺しって優しさがあるし…会長なら問答無用で殺すだろうし…。」
「ニャア……。」
2人と1匹は驚いていた。
いつもの優しい笑顔はなく、目はつり上がって氷のような冷たい視線を放ち、青黒いオーラを纏(まと)っていた。
