「どうして直樹が…って、彩華!?どうしたのよ!??」



真里香が直樹達に気づいて、駆け寄る。





「目標は悠斗と写真部の3名だ。見つけ次第捕獲、抵抗するなら攻撃も許可する。」




「はい、必ず連れてきます。」



彩華の涙で濡れている顔を、ハンカチで拭いてあげながら真里香が答える。






「直樹、頼みがあるんだが…。」




「なんですか?」




「優華を連れてきてくれ。彩華が狙われたなら、優華も狙われるかもしれない。今日は調理実習室でお菓子作りしているはずだ、シロウを一緒に連れていけ。」




蓮が引き出しから銃を出して直樹に渡し、口笛を吹くと隣の寝室から白猫が出てくる。






「シロウ、直樹と一緒に行ってくれ。」




ニャアと鳴き、シロウが直樹の肩に登る。





「この猫、前に菫さんといた…。」




「シロウだ。邪魔にはならないから連れていけ。」




「わかりました!」



直樹は急いで調理実習室に向かった。





廊下を走っていると、開いてる窓から真里香が入ってきた。





「うおおっ!?ビックリした!」




「そんなに驚く必要ないでしょ!?ただ窓の外から入ってきただけじゃない!」




「いや、ここ4階なんですが…。」




1階の窓から入ってくるなら驚かないが、4階なら誰だって驚くだろう。





「そんなことより、急ぐわよ!」




「了解。」