「おや?阿部くんと神崎さん。」
壁から下りてくる。
額にはG2と書かれていた。
「柴田くんだっけ?壁に張り付いて、何しているの?」
「訓練です。そのついでに文化祭に向けて準備を頑張る生徒の写真を撮っていました。」
どこからともなくカメラを出して見せる。
「そうなんだ、大変だね。」
話をしていると、不意に放送が鳴る。
『1年2組の大原悠斗及び写真部は、今すぐ生徒会室に来い。』
蓮の声だった。
「キャャャ〜ッ!!」
後ろにいた彩華が叫ぶ。
「どうしたの!?」
「ゴキブリが近づいてきて、いきなりピカッて光ったんだよ…。」
「つまり柴田に写真を撮られたってこと?」
コクコクと彩華が頷く。
周りを見回したが、柴田の姿はなかった。とりあえず生徒会室に行くことにした2人。
【生徒会室前】
ノックしてドアを開ける。
「直樹か、どうかしたか?」
蓮が会長席に座り、銀色の長髪を手で払う。数日前から女の姿になっていた。
「姉貴ぃ〜〜!」
今にも倒れそうにプルプル振るえながら、涙目の彩華が蓮にゆっくりと近づく。
「彩華!?」
机を飛び越えて、倒れる彩華を受け止める。
